ブラームス交響曲第2番ニ長調作品73
(1)ワルター・ダムロッシュ/ニューヨークフィル/1926年
(2)フェリックス・ワインガルトナー/ロンドンフィル1940年
(3)カール・シューリヒト/ウイーンフィル/1953年
(4)カール・ベーム/ベルリンフィル/1956年
(5)ピエール・モントゥー/ロンドン響/1962年
(6)カレル・アンチェル/チェコフィル/1967年
(7)クルト・ザンデルリンク/シュターツカペレ・ドレスデン/1972年
(8)キリル・コンドラシン/アムテルダム・コンセルトヘボウ/1975年
(9)エウゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラードフィル/1978年
■選定理由
1877年にリヒター/ウイーンフィルによって初演された第2交響曲。同時代に生きた指揮者の解釈を知り演奏史を振り返るとともに、世界の名門オーケストラのサウンドを聴き比べたいと思います。
■関連情報
(1)最古の録音でしょうか。 
(2)ワインガルトナーは、ブラームスの眼前でウイーンフィルで第2を演奏し、「私のこの曲は、まさに今あなたが演奏したような曲なのです。」というありがたいコメントをもらったそうです
(3)デッカのスタジオ録音。他にもライヴがあるようです。
(4)ベームのブラ2は何種類もあるようですが、これは最も古いもの。
(5)ウイーンフィルとの録音もありますが、有名なのはこちら。
(6)チェコフィルのブラ2は、他にもビエロフラーヴェクなどがあるようです。
(7)ザンデルリンクは露メロディア時代にもブラ2を録音しています。
(8)コンドラシンも露メロディア時代にモスクワのオケで録音しています。
(9)これはリハーサルつきのDVD。コンサートやブラームスについてのコメントが興味深いものです。
■感想メモ
いくらオケがうまくて美しい響きを出していても、単調な演奏は面白くありません。また、終楽章のみ大熱演で爆発するタイプの演奏も結構あるようですが、前半楽章の慈しみ深いメロディーや拍がいつの間にかずれていく面白さ、内声楽器が絶妙にブレンドしたサウンドなど、この曲の良さが最後の爆発で全部チャラ、という演奏はいけません。そもそも、演奏者が思い余って爆発するのならいいですが、指揮者がやたら暴れて燃えまくるものは×です。フルトヴェングラーもワルターもクナも、指揮者はいたって冷静、安っぽく感情を露わにしたりしません!
そうしたことを踏まえた上で、瑞々しい推進力のある演奏ということになると、
やはり有名なモントゥー/ロンドン響が素晴らしいです。内声のヴィオラなどたいへん明確で深く、良く目立つように弾いていますが、見事にブレンドされてもいます。単調にも陥らず、はっとするようなリズムの瞬間が数多くあります。
あとは、ダムロッシュとワインガルトナー。インテンポが常識の現代の演奏を聞き慣れた耳にはたいへん新鮮な演奏です。フレーズごとに、これだ!というテンポがなんの迷いもなく採用されます。わくわくさせられっ放しです。シューリヒトも同系統の名演奏ですが、録音のせいか第1ヴァイオリンがやせていて、ウイーンフィルらしいしたたるような感じがないのがやや物足りないところです。初期のDECCA、LXTなどで聴き直したいところです。
アンチェルとザンデルリンクはオケの響きが最高です。チェコフィルの金管は絶品です。もう少し推進力というか「つかみ」の鋭さがあれば文句無しです。他の指揮者、ビエロフラーヴェク盤なども聴いてみたいです。ドレスデンは弦楽主体の完璧なアコースティックサウンドが心地よいです。
ムラヴィンスキーは例によって、他では全く聴けない絶妙なバランスを聴かせ衝撃的ですが、生き生きとした表情が欲しくなります。
ベームとコンドラシンはやはり単調。曲に負けているというか、やりたいことがよく分からない演奏で、飽きてしまいます。

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